2009年6月25日木曜日

act.3 青山一丁目

今日のジョンのシャツは水色だった。

ジョン、とは
私の先輩の不倫相手のあだ名だ。

ジョンは彼女持ち。
先輩は夫持ち。
お互い『あくまで浮気』なんだそう。

聞く限り、ジョンはケナゲでかわいい。
犬のような忠実さを持った年下男子だ。

会えない日が続くと
オンナゴコロ(もしくは母性)をくすぐるおねだりをする。

記念日には気の利いたプレゼントを用意している。

デートの時も甘えたりして
かわいくて、本当にメロメロになるらしい。

私が見る限りでは、ジョンはとても笑いそうにないタイプなのに
(笑顔を見た事が無い)
そんな話ばかり聞いているので、とてもギャップのある人なんだなーと思って見ていた。

ときどき目立つ服装などをしているとチェックしたりして。


そんなふうに面白おかしく過ごしていたのだが
(私は傍観していただけだが)
しかし最近、先輩とのデート中に、
本物の彼女からメールが来るという。

「いま会社に居ないでしょ?」

「○○に行くって言ってたけど違う場所にいない?」

など。

どうもおかしいおかしいと思っていたら
ジョンは、体にチップを埋められている
という事が判明した。

本人はそりゃあもう落ち込んでいるらしいのだが、
度重なる浮気に、長年同棲している彼女が
『忠実になる』効果のあるチップと
『グローバルポジショニングシステム』機能がついたチップを埋めていたらしい。

埋め込みなど、一般人が利用する時代になったのだ。

と感心したが、結局一番感心したのは
どちらも機能的に問題なく作動していたという点。

とくに『忠実』のほう。



明日のジョンは何色のシャツだろう。

いつもよりすこし優しく、そう思った。



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